自ら考え、新しい「知」を創造する「市民科学」
柏の葉カレッジリンク・プログラムの後期基礎コースが初日を迎えました。
今回は総勢18名が受講。いずれも食や健康、まちづくりに興味のある皆さんが参加。
第1回目のプログラムは、恒例の「市民が創るサスティナブルデザイン」。
徳山先生、上野先生から、柏の葉のまちづくりの現状と、そこに参加する大学や市民の
役割や可能性について考えます。次回以降、健康や食、環境といった具体的なテーマを
掘り下げて考えていくにあたってそれらが集約された「私たちのライフスタイル」や
「私たちの住むまち」について問題提起を行なうのが、第1回目の大きなテーマです。
初日は、まだ、ぎこちない雰囲気ですが、これから5回のプログラムを通じて
きっと活発な意見交換や交流がなされていくに違いありません。
千葉大学環境健康フィールド科学センターの三輪正幸先生のコーディネイトによって、
第1回、いよいよスタートです。

まずは、徳山先生からの「コミュニティとヒューマンリレーション」と題した講義。
最初は、カレッジリンク恒例の簡単なゲームから。
近くの誰かとジャンケンし、負けた方が勝った方にニックネームを自己紹介。
相手を変えながら次々とジャンケンを繰り返し、4回勝ったらアガリに…。
負け続けの人は最後まで自己紹介をし続ける…というゲームです。
このゲーム、初めて参加したカレッジリンクの緊張を解いてくれる効果のほかにも
いろいろな気づきを与えてくれるゲームです。実は、負けるほど多くの人に名前を
覚えてもられるチャンスがある…というメリットがあったり、勝ち負けに拘りすぎる余り、
人の名前を覚えていない自分に気付いたり…。こうした簡単な実践を通しながら、
新たな気づきを得るのもカレッジリンク・プログラムの大きな特徴です。
人から与えられるのではなく、自ら主体的な考えるからこと、毎日の暮らしや自分の街を
変えていくことができる…というカレッジリンク・プログラムの根幹に触れる講義でした。



上野先生は「大学と地域の連携によるまちづくり」と題し、柏の葉で進んでいるまちづくりの
現状や目標、その中で大学が果たす役割や、市民参加によるまちづくりのあり方を解説
していただきました。そして改めて確認されたのが、このカレッジリンク・プログラムの
推進役であり、千葉大学の前学長だった古在豊樹先生の提唱する「市民科学」という
考え方です。これからのまちづくりは、市民一人ひとりの実体験や感覚が活かされるべきで
そのためにも、私たち市民は、自らの体験や行動の結果を論文や考察としてまとめ
次のまちづくりに活かし、役立てていこう…という考え方です。
行政や専門家だけでは、実際に住む人の本当の感覚は分かりないため、気付かないことも多い。
一方、市民は素人であるがゆえに気付くことがあるが、それを活かす意識や手段が弱い。
暮らしや地域を良くするためには、もっと市民が活動に参加し、そこで体験したこと、
気付いたことを検証し、広く共有することが大切だということです。
そうした「市民科学」の意識を持つことで、次回以降の健康、食、農業、環境といった
テーマへの関心が変わってくるに違いありません。



最後は、とまどいながらもグループワーク。お題は「住みたいまちを創る」。
どんなまちを創るか…という前に、今のまちに感じている好きな点や問題点や、そこに住む
“当事者”の視点から出し合い、書き出すことからスタートします。緑や自然が豊か。
人とのコミュニケーションが大切。街灯が少ない。便利。歳をとっても日常生活に困らない。
医療と教育の充実。安全。笑顔。外国人にとっても住みやすい。地産地消。お金。芸術。
もちろん、今日の時間内に結論が出るものではありませんが、ここに書き出したひとつ
ひとつが、次回以降の講義で新たな気づきにつながるに違いありません。