コミュニティとコミュニケーションについて考える
第4回は「コミュニティとコミュニケーション」をテーマに、災害に限らない幅広い視点からディスカッションが行われました。
今回の講師を務める徳山先生は、柏の葉カレッジリンク・プログラムでは、すでにお馴染みの先生です。
スポーツ教育学を専門に、人との関係性や、人の本来のありようとはどんなものかを考えさせる講義で人気があります。
徳山先生は、次のようなトピックスを題材にしながら進められました。
●わからないことと向き合うこと (オシム監督や、マクスター大学医学部の事例)
●3月11日前後の徳山先生の体験 (田中正平記念フォーラムなど)
●村上春樹さんのスピーチ (カタルーニャ国際賞授賞式/非現実な夢想家として)
●今道 友信『人生の贈り物-四つの物語』(今道友信 かまくら春秋社)
●テノール歌手・ドミンゴ氏が歌う日本の唱歌「ふるさと」
●青森県・階上中学校 卒業式の答辞
●古代ギリシャの話 (ギリシャ神話の神ゼウスのこと/ギリシャ悲劇のカタルシス)
●特殊から一般が生まれる (アインシュタインの相対性理論の例)
●様々な人や世代がいる人間社会で、何をつくっていくか?
そしてこの中で、「わからないこととどう向き合うか?」「人間らしい生き方とは何か?」「日々の暮らしの中におけるコミュニティやコミュニケーションとは何か?」など、たくさんの問題提起をもとに議論が展開されました。
●わからないことと向き合うこと
最初は、野田先生による徳山先生の紹介から。
徳山先生のスキー合宿に参加したことのある野田先生。未経験なのに初日からリフトに乗せられ、リフトを2回止めた経験があるそうです。
最初の事例も、そんな徳山先生のユニークな教え方(習うより慣れろ)に関連したものかもしれません。
オシム監督の発言やマクスター大学医学部の事例を挙げ、既に知られている知識を習うのではなく、自分がいかに問題を発見し解決するかが大事だというお話をされました。
たとえばマクスター大学医学部(カナダ)では、教える先生はクビだそうです。
教授から知識を習っていては、医者になれないという考え方。将来、医療の現場に立つ学生は、自ら勉強しなければならない。そこで自分で問題を発見する訓練、自分で問題を解決する訓練が、大事ではないかということでした。
カレッジリンクにおける学びも、そうありたいと徳山先生は言います。

●3月11日前後の徳山先生の体験
3月11日に開催される予定だった田中正平記念フォーラム。(地震により中止)
当日、徳山先生はこのフォーラム関係者としてリハーサルや準備が行わっていた中、ららぽーとで休憩中に被災したそうです。
現代はインターネットの発達で、知識や情報が手に入りやすい時代。そんな時代の中で、大学は何をしたらいいいのか? 1人の先生の知識は何のためになるのか? 学生にも熱いマインドを持ってほしい!
そんな様々な思いから、「芸術と技術の出会い」をテーマにこのフォーラムが企画されたそうです。
(延期となり、7月2日(土)に開催予定です)
田中正平記念フォーラムの案内
●村上春樹さんのスピーチ 「非現実な夢想家として」
震災に関連して、徳山先生が参考にした情報として、2011年6月9日、スペインのカタルーニャ国際賞授賞式での村上春樹さんのスピーチ(原稿全文)を紹介してくれました。
「非現実な夢想家として」という原稿を土台に、原子力発電のような「効率」よりも、もっと大事にしていくことは何かを徳山先生は問います。
村上春樹さんはこの中で、「効率」「便宜」ではなく「非現実的な夢想家」になることが、国境や文化を超えた「精神のコミュニティ」をつくること、再生への出発点になると述べています。
●今道友信『人生の贈り物-四つの物語』(今道友信 かまくら春秋社)
また中学生に向けて書かれた今道友信先生の著書から、「人生の贈り物」についてのエピソードが紹介されました。「よい想い出が、人生最高の贈り物」というお話でした。

●テノール歌手・ドミンゴ氏が歌う日本の唱歌「ふるさと」
●青森県・ 階上中学校 卒業式の答辞
大学教育が、単に知識を教えるカリキュラムとしてパッケージ化されている状況。
人の心のありようが「効率」という名のもと二の次にされている状況。それらを踏まえて、紹介されたのが2つの動画でした。
思い出がある地域だから、「ふるさと」になる。そこに帰りたい、そこで生きたいと思える場所が「ふるさと」ではないか。
「苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きてゆくことが、これからの私達の使命です。」
階上中学校・卒業式の答辞です。そこから、考えられる人間やコミュニティのあり方とは何か?
問題提起は、様々な視点からなされます。
●古代ギリシャの話 (ギリシャ悲劇のカタルシス/ギリシャ神話の神ゼウス)
●特殊から一般が生まれる (アインシュタインの相対性理論を事例に)
人はそれぞれの個別の体験をしているから、おもしろい。専門コース第1回のそれぞれの体験が興味深かったというのもそのため。
学問や研究も同じで、まず特殊が生まれて、それが一般化される。一人一人の個別性が大事ではないか。

●様々な人や世代がいる人間社会で、何をつくっていくか?
こうした様々な例や問題提起を起点に、世代や地域を超えた課題をどう解決していくか?
ということをディスカッションしていきました。
問題解決は未来にしかない。昔はよかったという言い方をせずに、新しいやり方や発明を考えていくことが、これから生きていく自分たちの使命ではないかと徳山先生。
受講生のそれぞれ個別の体験や視点をもとに、たくさんの意見が出されました。
世代間コミュニケーションについて思っていること、交流を好まない人に対しても地域コミュニティとして気にかけてあげることの大切さ、実際にドミンゴ氏のコンサートへ行った方の話など、対話を通じてそれぞれの体験が共有されたように思います。
最終回(第6回)に向けて、
コレまで学んできたことを様々な角度で見ていくディスカッションになったのではないでしょうか。
